料理に使う油って、めっちゃたくさん種類がありますよね。
私も料理に合わせて使えるよう、油を何種類か揃えています。
ごま油もその中の一つ。
無味無臭ななたね油やサラダ油とは対象的に、香ばしいごまの香りがたまらないごま油。
炒めものに使ったり、ちょっと香り付けに使うとガラッと料理の雰囲気を変えてくれるごま油は、きっとあなたのキッチンにも常備されてるのではないでしょうか。
でもただ「ごま油」と一口にいっても、実は製法によって違いがあるって知ってましたか?
私は、スーパーでたくさん並んだごま油の違いって、ごまの種類やコーヒーみたいに焙煎具合の違いくらいに思っていました。
ところがそんな私が、ものすごいごま油と出会ってしまったんです。
これぞ本物のごま油。
今まで持っていたごま油の常識をくつがえす、私おすすめのごま油とは・・・。
おすすめのごま油はコレ!
私がおすすめしたいのは、生活クラブの「玉締めごま油」。
スーパーに並んでるごま油にも、商品名に「焙煎」「太白」「一番搾り」などなど、いろんな言葉がくっついてたりしますよね。
でも「玉締め」ってついたものって、そんじょそこらのお店ではお目にかかれない代物なんですよ。
ごま油のいろいろ
ごま油は昔から、ごまを煎ってすりつぶして絞る、という作り方が基本。
機械化が進んだり、技術の発達でいろんな工夫がされてきていますが、今回はそんな中の以下の3種類の製法についてチェックしてみます。
- 薬剤を使って抽出したごま油
- 圧搾して抽出したごま油
- 玉絞めしぼりごま油
大量に作れてコスパもいい抽出法
これは、溶剤を使ってごまから油を抽出する方法。
脱脂加工大豆の記事でも登場した、あの「ヘキサン」がここでも使われます。
ヘキサン、よりコストを掛けず、よりたくさん作りたいときには大活躍してるようですね。
うれしいというより、微妙な気分だけど・・・
ごま油でももちろん、ヘキサンが残留する心配はないのですが、やはり無理やりたくさん油を抽出するせいか風味が落ちるようです。
そこで登場するのが、香料。
残念なことに商品のパッケージを見るだけでは、溶剤を使って抽出したたごま油であるかどうかはわからないんです。
しかも無理やり油をしぼり出すので、せっかくのごまの栄養価も低くなってしまってるこのごま油。
でも明らかに安かったり、原材料に「香料」と書いてあるものは、おそらくこの種類。
安いのはお財布にありがたいのですが、ごまの風味も”香料の風味”とあっては、もはやごま油というより”ごま風味油”と呼ぶほうが正しいような気がします。
もちろん化学溶剤を避けたい場合も、手にしないことがおすすめ。
一番ポピュラーな圧搾法
圧搾法というのは、その名前のまま、圧力をかけて油を搾る(しぼる)方法。
現在はたくさんのメーカーで、機械を使ったこの圧搾法でごま油を作っています。
この圧搾する方法は江戸時代からあったんだって。
読んで字のごとく、ごまに圧力をかけて油を搾り取る圧搾法ですが、同じ圧搾法でも違いが出るのがごまの焙煎温度。
スーパーなどでよく見かける「太白」という透明なごま油は、実はごまを焙煎せずに生のままを絞ってるんですよ。
だからごまの風味もほとんどなく、無色であっさり味。
サラダ油などより栄養価が高いので揚げ油として使ったり、ドレッシングにしたり、お菓子作りにもおすすめなんだそうです。
そして、焙煎温度を上げていくほど深煎となってごまの色が黒く、より香ばしい風味がついていきます。
私は苦いコーヒーが好きなのですが、ごま油に関しては深煎すぎる苦味はどうも苦手。
ごまの風味は大好きなのでしっかり香ってほしいけど、苦味はいらないんだよなぁ。
ちなみに、「一番搾り」っていうのはビールでよく聞きますが、ごま油でも同じで、一番最初に圧搾して絞り出した油ですよってこと。
メーカーによっては、一番搾りの油をとったあとのごまから、再び油を絞り出すんだそうですよ。
あの”ヘキサン”を使って・・・。
いや、ヘキサンが悪いといっているわけではないんです。
ただやっぱり、安いものにはそれなりの「からくり」があるんだなぁってしみじみ思います。
ごまそのものの風味が残る玉絞め法
焙煎したごま油の苦味はいらないんだけど、太白だと物足りない。
そんな私が出会ったのが、この「玉締め」のごま油。
現在この製法で作られているごま油は、ごま油全体の年間生産量のたった0.5%程、ほんの一握りの会社のみが作ってるんだそうです。
だから、そんじょそこらのスーパーではお目にかかれない超レアごま油というわけ。
生活クラブのごま油を生産しているのは、花の都大東京の中の大都会、新宿にある小野田製油所。
玉締め法を超簡単にまとめてみました。
- ごまを薪の柔らかな熱で、焦がさないようにじっくり丁寧に煎る。
- ローラーですり潰してから、蒸す。
- 蒸し上がったごまを、上にある御影石に下からゆっくり押し付けて圧搾する。
- 絞った油はまず布、最後に和紙で濾す。
人の手でごまを煎るっていうこともすごいけど、何より私が驚いたのが御影石に”ごまを下から押し付けて”油を搾るというところ。
”ごまが痛がらないしぼり方”って言われてるんですって。
こうして玉締め法で作られたごま油は、ごまの風味や栄養がそのまま残り、色もきれいに澄んだ黄金色になるんですよ。
ということで、次は実際の生活クラブの玉締めごま油がどんなものか見ていきましょう。
生活クラブの玉締めごま油
比較しやすいように、今回は超ポピュラーなかどやの純正ごま油と比較してみます。
価格を100gあたりに換算してみると、かどや純正ごま油は約150円くらいで、生活クラブのごま油は約199円なので、驚くほどの価格差はありませんでした。
ちなみに、「純正」とはごま油100%という意味。
ごま油に他の油を足して作られている「調合ごま油」との違いをわかりやすくするために「純正」とつけてるそうです。
<かどや純正ごま油>
<生活クラブごま油>
かなり見づらいですが、原材料はどちらとも「食用ごま油」。
「ごま」じゃないんだ。
かどやのものも、余計な添加物は入ってないですね。
では、中身を出してみましょう。
まず、香りがぜんぜんちがいます。
かどやの方は、よ~く知ってるあのインパクトのある香ばしいごま油の香りです。
それに対して生活クラブのごま油は、ごまそのものの香りなんです。
そう、ごまを買ってきて袋を開けたときの、あのフレッシュな香り。
フワ~っとしてるのにしっかり感じられる香り、ごま本来の香ばしさもしっかりあるんだけどみずみずしさもあり・・・
うまく伝えられないのがもどかしいのですが、とにかく「ごま」そのもののめちゃくちゃいい香りなんです。
あぁ、語彙力・・・
そして、アップにしてみましたが、この色のちがい。
生活クラブの方は、市販の「太白ごま油」といってもいいくらい澄んでます。
この比較を見て「純露」というキャンディーを思い出した私は昭和の女です。
味ももちろん、ぜんっぜんちがいます。
私、初めて生活クラブのごま油をほんのちょっと舐めた瞬間、あまりのおいしさにものすごい衝撃をうけました。
口いっぱいに広がるフレッシュなごまの香り。
まるでごまをそのまま食べたような・・・ようなというかもう、私今ごま食べたよねって感じ。
これが本物の「ごま油」・・・
かどやの方は馴染みのある、あの焙煎された苦味と強い香りがあるパンチのきいた味。
ちなみに生活クラブのごま油は揚げ物にもぴったりで、特に野菜天は絶品に仕上がるという口コミがありました。
かどやみたいなパンチのきいたごま油は、さすがに揚げ物に使いたいとは思えません。
しかも生活クラブのごま油は揚げ物に使ってもほとんど傷まないので、何度でも繰り返し揚げ物に使っていいというめっちゃ嬉しいメリットがあるんです。
炒め物にも使いながら、揚げ物の際に継ぎ足しして・・・と使っていけば捨てるとこなし。
めっちゃエコでもあるのです。
それを考えると、100gあたりの50円差くらい全然高いと思えなくなりますね。
まとめ
「ごま油」といっても、その製法のちがいでたくさんの種類がありました。
その中でも私の「ごま油」の常識をくつがえしてくれたのが、今回おすすめした生活クラブの玉締めごま油。
ごまそのものを食べているような、一切苦味のない優しくて自然なごまの風味。
絶品です。
このごま油を知ってしまったら、もう市販品に戻れる気がしません。
そしてこの玉締めごま油さえあれば香り付けはもちろん、炒め物に揚げ物、ドレッシングなどどんな料理にも使えるんです。
栄養価も高く、しかも揚げ物をしても傷まないから最後の1滴まで使い切ることができる、という点も高ポイント。
ただ残念ながら、玉絞め法で作られたごま油は市販ではお目にかかることができず、ネットスーパーや一部の生協で取り扱いがあるのみ。
そして生活クラブで購入するのがめっちゃお得であることも、最後に付け加えておきます。
あなたもぜひ生活クラブのごま油で、「ごま油の常識」をくつがえされてみてください。