料理に欠かせない調味料のひとつに、酒があります。
もちろん、我が家にも常備してあります。
ただ以前の私は、料理に入れる酒の効果ってあまりよく知らなかったし、正直そんなに興味もありませんでした。
恥ずかしながら、レシピに書いてあるからとりあえず入れる、くらいの認識だったんです。
でも生活クラブの料理酒を買って初めて使ってみたら、いつもの料理がなにか違う、なんかおいしい。
不思議に思って調べてみると分かったのは、生活クラブの料理酒は同じ料理酒といっても中身はちょっと別物だったんです。
同じ料理酒なのに、一体何が違うのか。
その違いを知り、かしこく使い分けておいしいとこ取りすれば、あなたの料理のウデがグググッとあがっちゃいますよ。
料理酒と酒の違い
まずは料理酒と飲む用の酒の違いをおさえておきましょう。
スーパーの料理酒売り場にズラッと並んでいる料理酒。
そこには飲料用の姿はありません。
料理酒は飲料用とは全くの別物で、あえて飲めないように食塩などが添加されているという大きな違いがあります。
飲料用には税金がかかってちょっと高くなってしまうけど、こうして飲むのにはふさわしくない仕様にすることで、料理酒は税金の対象外になるんです。
ってことはその分、お安くなるってことね。
そしてお酒類を販売するのには専用の免許が必要なのですが、料理酒ならそれがないお店でも販売することができる、つまり手に入れやすくなるんです。
添加されてるものはその料理酒によってさまざまで、食塩の他にも水あめ、酢やうま味調味料などなど、料理をおいしくするためのいろんな工夫がされているのが料理酒なんです。
生活クラブの料理酒の正体
生活クラブの料理酒は何種類かありますが、これが当時私が生活クラブで購入した清酒「入駒」という料理酒。
しっかりと「料理酒」とは書いてありますが、原材料を見ると・・・
米と米こうじのみなんです。
ということで、ちょっと市販の料理酒とこの生活クラブの料理酒の飲みくらべをしてみよう、と思いたった私。
結果、市販の料理酒はいうまでもなく飲めたものではありませんでしたが、入駒は普通に飲料用でした。
残念ながら私は通ではないし、日常的に飲んでるわけではなく、あくまでも”お付き合いでたしなむ”程度。
詳しい味の違いをお伝えできないのが残念です。
ただその後調べてみて分かったのは、入駒のような料理酒は、飲む用の清酒より”お米の磨き”を少なめしてあるということ。
そうすることでお酒に複雑な味がのこり、料理にもうま味をもたせることができるという、まさに料理のためにつくられたものなんです。
飲料用のものは、もっとお米を磨いて、雑味のないすっきりキリッとした味わいにするんだそうですよ。
お酒を入れることの効果
市販の料理酒と生活クラブの料理酒の違いが分かったところで、お酒が料理にもたらす効果をチェックしてみましょう。
- お魚やお肉の臭みをなくす
- 食材をやわらかくする
- 味を染み込みやすくする
- 料理の日持ちが良くなる
- 煮崩れしにくくなる
もちろんこれらの効果は、料理酒でも酒でも同じといわれています。
お酒を入れると臭みをとってくれて風味がよくなる、というのは私も聞いたことがありますが、浸透圧を高めて味が染み込みやすくなる、というのは知りませんでした。
時短調理にもつながるし、これはありがたい。
そして煮崩れしにくくなるんだそう・・・
肉じゃがを作ったらじゃがいもがドロドロに煮崩れてしまい、もはや具入りの和風ポタージュでしょ、なんて経験があるのは私だけじゃないはず。
お酒を入れると、そのじゃがいもがポタージュ化する確率が減るってことかな。
醤油や砂糖みたいに、食べてすぐわかるような存在感はないけど、こうしてみるとおいしい料理には欠かせない、縁の下の力持ち的存在なんですね。
おすすめの使い分け方法
それで結局のところ、料理酒と料理用の清酒はどっちがいいのかという話ですが、私のおすすめは料理用の清酒です。
でも、ネックになるのがそのお値段。
清酒は税金も加算されてるから高くて、気持ち的にそんなにガンガンつかえません。
そこで私のおすすめの方法は、食材のおいしさを味わう料理のときは「料理用の清酒」を使うこと。
例えばアサリの酒蒸し。
以前潮干狩りのおみやげにいただいたアサリを料理酒で蒸したら、やけにしょっぱくてちょっと微妙な味になってしまいました。
そこで別のときに料理用の清酒で蒸してみたら、すごくおいしかったんです。
そんなにアサリが好きじゃない私も、素直においしいと思えました。
シンプルに食材を味わいたいときは、余計な調味料はいらないってことですね。
それから、料理のレシピに登場する「酒」はほとんどの場合「料理用の清酒」をさしています。
なので料理酒で代用するときは、他の調味料を表示の分量入れてしまうと、ちょっと濃い味になってしまうことに。
たしかにレシピ通り作ったのに、しょっぱっ!まずっ!って思うこと、たまにあります。
私の料理のウデじゃなくて、料理酒のせいだったのか・・・
料理酒の原材料をチェックしたらそれにあわせて、味をみながらレシピの食塩を減らしたり、甘みが入ってるときは砂糖の分量も減らしたりすることがおいしく作るポイント。
そうやって上手に使いこなせば、料理酒には複雑なうま味が加味されてる分、おいしい料理を作ることができそうです。
でもよく考えてみれば、簡単においしくするためにいろいろ添加されてる料理酒を使うのに、いちいち工夫が必要なんてちょっと本末転倒な気がしなくもない。
それならきっぱりと料理用の清酒使えば楽ちんなんですけど、そこはフトコロと相談しながらってことで。
ということで、フトコロにもやさしい料理酒と料理用の清酒の使い分けをして”おいしいこ取り”しちゃいましょう。
まとめ
料理酒と酒の違いは、料理酒には飲むのに適さないように食塩などの添加物が入っているところ。
そのおかげで酒税がかからず、お手頃な値段で買うことができるのはありがたい。
そして、料理をおいしくするために入ってる添加物のおかげで、うま味のある料理ができあがります。
でも、それらの添加物のせいで食材本来の味を味わいたい料理には不向き。
料理酒と料理用の清酒、どちらもいいところと悪いところがあります。
私は正直、料理用清酒だけぜいたくに使いたいと思ってるんだけど、やっぱりフトコロ事情も考えて、ここぞっていうときに料理用の清酒。
そうじゃないときはちょっと工夫をしながら料理酒をガシガシ使って、おいしいとこ取りしていきます。
さて、今夜は新玉ねぎと新じゃがいもの肉じゃが。
ちょっといいお肉を買ったから、お酒も料理用の清酒でリッチ肉じゃが路線でいこう。
きっと具入り和風ポタージュにはならないはず。